祭 GALA -新橋演舞場に訪れた新しい春-

祭 GALAを観劇した岩本担の備忘録。感想を思いのままに書き散らしました。舞台を見たあの時の感動をいつでも思い出せるように。自分用のまとめです。
とっても長いので適当に読み飛ばして下さい。

コンセプト

雑誌、会見レポートを読んで簡単にまとめるとGALAのコンセプトは「お祭り」「和と洋の文化の融合」

「縁日みたいに色んな出店を巡っていくような舞台にしたい」
「鳥居をくぐって、屋台に人が集まって、本殿に辿りつくイメージ」
「パワースポット、神社やお寺に行くみたいな感覚で来てもらえたら」

とひかるがインタビューで語っていたとおり、日本のお祭りの起源から辿っていくようなコンセプトで、単なるお祭り騒ぎ!華やか!楽しい!だけじゃとどまらない深さを感じました。
これってもしかしてそういうこと?を一つ拾うと、もしかしてあれも?これも?と全てが意味を成しているのでは……と観劇後気になった事を調べまくり、ノートに手書きでまとめ始めるという久々に学生時代に戻った気持ちでした。途中色々脱線しまくって気付いたらインド美術史とか勉強してました(?)ありがとうGALA、知るって楽しいね………。
これは昨年ひかるが演出した少年たちで思い知らされたんですが、ひかるって全ての演出に意味を持たせるんですよ…。これはひかるのパフォーマンスにも通ずるところで、表現ひとつひとつに意味を持たせる人だからこそ、もしかしてここまで作り込んでいるかも…という期待が大いにありました。あの経験は本当にデカかった……ひかるにとっても岩本担にとっても。
早くも脱線してますが、とにかくそれほど0から作られたとは思えないクオリティの高い舞台だったということです。3人だからこそ創り上げられた作品だった。

開演〜オープニング「GALA」

まず演舞場の入口からテンション上がるんですが…………(そこから)(長くなりそう)
華やかな門構えに、中に入ると祭と書かれた提灯がずらっと並んでて、縁日にきたあのワクワク感がもう入場から始まっていました。GALAで気付いた。現場のワクワク感って、お祭りと似ている…。
席に座ると開演前の紗幕には鳥居が映されていて、もうGALAの世界観へ没入する準備が整ってたんですよね。
幕が上がってどデカい鳥居が3つ、そして鳥居の向こう側から高台に乗った3人がドーーン!と現れるんだけど、神々しすぎてまさに降臨。神、降臨です。
鳥居をくぐって3人が現れるわけなんですけど、まさに神域と俗界との境界をみたというか、荘厳なエネルギーがすごい。我々観客は本当に参拝にきたような気持ちになる。
面を被って獅子のようなかつらを被り、ド派手な和装を纏い圧倒的存在感のデカさで一瞬で空間を神域にしてしまう。最初角が生えてたもんで鬼?と思ったんですが、よくよく双眼鏡で観察すると一人一人角の形が違くて、よく見ると龍の角っぽい。全体を通して龍というモチーフがよく出てきていたので、龍が今回のキーになっているんだと思います。
面を取った時の
「顔、良……………………………______。」
がたまらなく好きなんですけど、今回全編通してこの"面取ると恐ろしく綺麗な顔が出てくる演目"が何回もあるのが最高。
途中ヤンキー座りみたいに屈んで下々の者を見下ろすようにこちら(下界)を見渡すんですけど、その時の岩本さんの視線がまぁ〜〜〜〜〜〜〜非常に色っぽくてですね………………。伏目が色っぽいじゃないですか、彼。双眼鏡越しにヒッ………となりました。こちらは2階から観てるので全然高さ的にはこちらが上なはずなのに存在感で圧倒的に見下ろされてる。
やあやあよく来たね、というような面持ちでとにかく顔の良い神々を拝み、GALAの世界に一気に引き摺り込まれたのでした。
曲も良すぎる。三味線ジャカジャカかき鳴らすアップテンポな和ロック。この舞台を象徴する一曲。大好き。
こちら岩本照先生の振付で(3人は踊らないが周りが踊る)三つ指をつくポーズや見得を切るポーズなどが入っていてカッコイイ。

Dancing Floor

岩本担が絶ッッッッ対好きなやつ。というか私が好きなやつ。(そう)
レポで少年隊すぎると至る所で言われていたので、さぞかし少年隊なんだろうなと楽しみにしてたんですけどさぞかし少年隊でした。
ゴージャスな羽織をバサっと脱ぎ、スタイリッシュな白と黒のオッシャレな燕尾服に様変わりして(コシノジュンコさんの衣装が素敵すぎる)カラフルな照明にミラーボールの下で軽快に踊り始める。一瞬で演舞場をダンスフロアにしてしまうわけです。勿論振付は我らが岩本照。私が好きなひかるの音とじゃれるような音の捕まえ方がふんだんに盛り込まれていて、それを三者三様に踊りながらキメるとこはピシッと揃うのがあまりにも気持ち良い。一つ一つの所作の美しさとポージングの決め。色気。3人がアイコンタクトしながら楽しそうに踊るのがたまらない。揃いの衣装だからこそ際立つ個々のダンスが良い。
ジャジーなダンスとディスコな音楽、そして何より横一列で3人で踊る"かたち"が少年隊を彷彿とさせていたんだと思う。
上手に行ったり下手に行ったりと、舞台を大きく使いスキップするように軽やかにグルーヴィーに踊るんだけど、その間ず〜〜〜〜〜っと視線でファンサをするやらしいハンサムガイこと、岩本照………………………。やらしいとかいってすみません、いや、やらしいんですよ(選べない言葉)
岩本担は心当たりありまくると思うんですけど、あの、色目使ってくるあれです…。あれを双眼鏡で覗くの、大好きで……………………。ナチュラルにウィンクかますんですよ、このハンサムガイは……。
この曲、ひかるの好きなジャンルだと思うんだけどとにかくま〜〜〜気持ち良さそうに踊る………。それを観てるこちらまで気持ち良い。共感性グルーヴィー(?)。
大好きだなぁ。岩本照さんのダンスが大好きだなぁを噛み締める1曲。
あとここでまさかの3人同時台宙をかまし、ヒューーーーーー!!!!となります。まさかこれを見れるとは。立ち上がりたいくらい興奮した。

新世界

え……………夢?
鳥居の形した鉄棒みたいなものに絡まり釈迦のようなひかるがご登場。え……………夢?
ムッキムキの丸太のような腕で鉄の鳥居に捕まり、ルンルン♪と無邪気に足をぶらぶらさせる釈迦ひかる。行動の可愛さと丸太(腕)のギャップで狂う。
順逆で鳥居にぶら下りながらラップするひかる。情報過多。
ひょいとそのまま豪華絢爛なソファに飛び移りポージングするんですけど、涅槃仏のように寝そべったり坐禅を組んだり瞑想したりと仏ムーヴをかまします。装飾やソファがインドっぽくて、曼荼羅や蓮の花に仏陀的世界観。周りには修行僧みたいなダンサー。こんなん岩本照で見たかったよね………。
新世界のパフォーマンス見てて思ったのは、すごくキャラクターが見えてくるな、ということ。これは私の勝手な感覚と解釈ですけど、鳥居に無邪気にぶら下がったり、鼻歌を歌うかのようにラップしてみたり、くるくると表情を変えて、俗世をおもちゃみたいに掌のうえで転がして、終始やんちゃで少年的な雰囲気があったんですよね。修行もひょいひょいと軽々こなしてきて、うま〜く世を渡ってきましたみたいな天才エリート感と人と同じ事はしたくないみたいなはみだしやんちゃ感(妄想)

→追記なんですけどテレガイさんのレポで

"伝統は尊ぶが型破り"

と表現されていてソレーーーーー!となりました。

歌のキーも高めで声が高いのもよりそうさせてた気がする。ラップも歌も低音も高音もなんでもござれなひかるの器用さが発揮されている一曲。
歌もダンスも表情も、きっとひかるの中でこの曲の主人公像はしっかりあったんじゃないかなと思えるパフォーマンスで、みていて本当に楽しかった……!
基本ひかるは踊らず坐禅したり瞑想したりしているんだけど、ただそこに"在る"だけで醸し出される凄みというか、オーラに圧倒される。
途中間奏でソファから降りて手の動きだけで魅せるタットダンスをしてたんだけど、それが超〜〜〜カッコよくて痺れました。動き一つ一つがダンス鬼上手い人のそれ。ひかるお得意の指先の動きも、まるで神様が世界を操るみたいにみえた。
初のソロ曲でこれをかましてくるあたり、岩本担とひかるは相思相愛すぎる。(大感謝)

あの日の少年

儚すぎて消えそうな深澤さんミディアムバラード。
紗幕越しにみる深澤さん、良すぎる。届きそうで届かない、見えるけどはっきりとは見えない、みたいな深澤さん良すぎる。
私バラードを歌う深澤さんの声が大好きで。化粧水みたいに入り込む。無限に入り込む。イプサの化粧水並みに入り込む。
歌詞もとっても良くて、諦めなかったあの頃があったから今があるみたいな歌(ざっくり)で今の深澤さんが歌うからグッとくる。
下でジュニアの子が舞うように踊っていて、"あの日の少年"とそして今まさにもがく彼らに向けたメッセージにも感じる。
ステージがどんどん満点の星空になるんだけど、これが超〜〜〜綺麗。少年たちの藤井君と大昇君が星空の下で歌うあのシーンを思い出した。ひかるの演出ですか?ライティングと紗幕の使い方が巧みすぎる。
ひかるが今回どこまでの演出をしているのか分からないけど、少年たちで感じたひかるの演出ってとにかく奥行きの使い方が上手で。紗幕をレイヤー的に使ったり、照明の使い方もすごく奥行きがあって綺麗なんだよね。
深澤さんの歌声と美しい空間にうっとり。

Moon

これぞ宮舘涼太、というパフォーマンスでこんなんみんな見たかったやつ〜〜!
あの日の少年で最後月が金環日食みたいになって、その丸いシルエットがそのまま丸窓のかたちになるのめちゃくちゃ洒落てた。椅子に腰掛けキセルをふかす舘さんが出てきた時、こんなん……こんなん……(見たかったよね………)と演舞場中の宮舘担におめでとう…と心の中で呟きました。おめでとう…。
バックスクリーンに花魁らしきシルエットが映ってて、遊女と旦那の恋なのかな〜と思いながら見てたけどどうだろう。舘さんのキレッキレのダンスと周りの女性ダンサーがカッコ良すぎて歌詞を読み解く余裕は全く無かった。
周りの女性ダンサー、とにかく衣装もメイクもダンスも超カッコよくて思わず双眼鏡で覗きました。超好きです。あとひとつ気になったのは女性ダンサーの衣装なんですけど、黒の和服でそれが左前だったんですよね。つまり死葬束の意なんですけど、これもどういう意味を含んでるんだろうと気になりました。歌詞を読み解かないといけない気がする。円盤を楽しみに待ちます。

三武将

岩本さんが信長、深澤さんが秀吉、舘さんが家康という配役。分かりすぎる。
最初ナレーションが英語で入るんですけど、つまり己の敵は己の煩悩であり、その煩悩の化身?亡霊?と戦っているシーンなのかなと思いました。
それぞれの殺陣がそれぞれの人物像を表していて流石だ…………と御三方の技術と表現力の高さに改めて気付かされる。
怯えるように戦う家康が覚悟を決めたかのように刀を振りかざす姿だったり、秀吉の"狂気"を表現するその表情にゾクっとしたり(冒頭椅子蹴飛ばす深澤秀吉さんやばくなかったですか?)、秀吉とはまた違う狂気で、人を殺めることに何の感情もないような、目の前の人間を無駄のない重〜〜い一撃で次々と刺していく信長。とにかく一撃が重い。最後討ち取った首を片手で持つんですけど、その背中の哀愁たるや……………。孤独を感じる。あと宮舘さん一推しの岩本さんの片肌脱ぐシーン、私も一推しです。かっこ良すぎて戦国BASARAかと思いました。
余談なんですけど、今回岩本さんの衣装ほとんどの曲で袖引きちぎられてて笑いました。絶対にサイズ合わなくなるから…直さなきゃいけなくなるから…という衣装さんの声が聞こえてきた。

Reincarnation

舘さんのポールフライングです。
ほんのついさっきまで華麗な殺陣を披露していた方ですよね?息つく暇なさすぎません?ここ、Moon→三武将→ Reincarnationのスーパー舘さん忙しいよメドレーなんですけど………。フィジカル………。
優雅に舞ってますけど、これ相当フィジカル演目で、超〜〜〜〜ハードだと思います。すんごい。それしか言えない。バキバキの上腕二頭筋とその汗が物語っている。
タイトルにあるように、生まれ変わりを意味する演目で、そのあとの幽霊コント(幽霊コント?)でも深澤さんが家康く〜んと呼びかけていたのでこれは家康君の生まれ変わりということ………?
一見関係のなさそうな演目でも細かく繋がりを作っていて、それが積み重なって全体的に統一感のある作品になっていて、意識をずっと途切れさせない仕掛けがちゃんとあるのがお見事。

お化け屋敷

舘さんの華麗かつ力強いポールフライングが終わって、その余韻に浸る間もなく花道からやってくる井戸と幽霊姿の深澤さん。
そこからだてふかによるコントが繰り広げられるんですけど、私が1回目観に行った時は20分くらいやってました。本当は30秒くらいのくだりらしい。好き勝手やり過ぎてて笑う。
(2回目観に行った時はかなりコンパクトになってました。笑)
舘さんは元々の面白さに加えて確かなバラエティスキルを発揮しててすごかったし、振り回されて大汗かいてる深澤さんがやっぱ一番輝いてる。
その後井戸の中にちゃんと落ちて(ようやく進む台本)深澤さんのジュニアくんたちとの絡みがあり、空気が変わって深澤さんの講談が始まるんだけど、これ好きだった〜!深澤さんこういうの合う。落語とかやってほしい。
話の流れから幽霊ってなんぞや?ハロウィンって?みたいな語りが入るんだけど、ハロウィンとかクリスマスとか外国由来の宗教文化が数多く根付いてる日本独自の宗教観がGALA全体にも盛り込まれていて、そういうのも含めてGALAって日本らしい作品だなと思う。楽しければいいよね!という楽観さと、でもちゃんと大いなるものに対する敬意がある。
ここで幽霊姿のひかると舘さんも合流して、3人の微笑みわちゃわちゃセッションタイムを満喫し、唯一の既存曲「Vroom Vroom Vroom」を披露するんだけどこれがまぁ〜〜〜好きで…………(私が………)。
まず始まり方が井戸を3人で覗き込んであのイントロが流れるんだけど、MVの始まり方とリンクさせてて好き………。
新たに追加された間奏アレンジパートを除き、基本的には振りも一緒なんだけどこれがまた全然違うVroom Vroom Vroomになっててめちゃくちゃ良いんですよ…。
幽霊や妖怪姿のジュニアとダンサー達全員で踊るんだけど、これがすんごい和製スリラーなんだよね。初見5秒で和製スリラーだ!!!!!となった。ひかるは絶対意識してるはず。こういう洒落の効かせ方というか、ニクいよね〜〜〜〜〜〜〜大好き(大の字)
途中アレンジで追加された間奏では、お賽銭を投げる振り(音も追加されてる)、二礼二拍手一礼的な動作をダンスの振りに落とし込んでコミカルに表現していたりと、ひかるの振付アレンジ力が唸りまくっていて最高でした。
最後パフォーマー紹介(妖怪ダンサーたち紹介)をして、スクリーンにゲームのキャラクターステータスみたいにレベルとか能力値が表示される遊び心も非常に可愛かった。

ここから日本の伝統芸能演目。まずは「三番叟」。
五穀豊穣を祈る大変おめでたい舞だそうで、舘さんの囃子言葉が流石でした。歌舞伎パートにおける宮舘さんの頼もしさと貫禄たるや。
舘さんのずっしりと重みのある舞、ひかるの手先足先まで意識した美しい所作の舞、深澤さんの軽やかな舞で3人の違う良さが表れていたのも味わい深かったなぁ。

その後、立体的な花札猪鹿蝶のセットが出てきて(このセットすごい素敵だった)、ジュニアの子たちも交えた立ち回り。桶を使ってた気がする。
そのあと舘さんが、深澤さんがおかめ、ひかるがひょっとこの面を被っての演目になるんだけどこれすごく好きだったな〜〜〜!
3人とも表情がみえないのに動きだけで表情や感情を表現する力がすごすぎる。
舘さんはとにかく狐の仕草がめちゃくちゃ上手で、いわふかは表情がお面越しに見えてくるんですよ。コミカルな動きがうますぎる。
この言語を必要とせずとも伝えることの出来る表現力は必ず海外でも通用するし、彼らがやっていきたいエンターテイメントの根っこを見た気がする。

からの盆踊りパート。祭りといえば盆踊り。華やかなやぐらが登場して、客席も巻き込んでのパフォーマンス。まさか一緒に踊れるとは思いませんでした。まさにお祭りにきた気持ちになって楽しかった〜〜。

変面

スーパーひかる変面タイム超〜〜〜〜〜〜〜かっこよかったです……………。もう釘付けでした。
ちなみに変面に入る前に舘さんがすっぽんのところで般若の面?を手にして、それが顔に張り付いて取り憑かれたような動きをして、そこからスクリーンに向かって赤い血?のようなものを吹いて変面のパフォーマンスに繋がるんだけどこれが何を意味するのかがまだわからず………。考察できた方、教えて下さい。
今年は枚数が9枚と増え、更にはレーザーパフォーマンスも加わってショー感がより強まってました。ただ演出が派手、というよりやっていることの技術力が更に求められるような、まさに誤魔化しのきかない感じがより増していた……。
さらに今までと違ったのは、今までは最後素顔になって終わりだったのが、一度素顔に戻ってからの再び面が戻るという技。そんなこと出来るんだ!?!?!?とたまげました。どんなに双眼鏡でガン見しようが何にも分からない。
印象的だったのは私が観た回で、変面のパフォーマンスに入る前にひかるが目を閉じ大きく深呼吸していたこと。それだけ集中力が必要なパフォーマンスなんだなと思わずこちらまで唾をのみこみました。パフォーマンスが完璧すぎて簡単にやってるように感じさせてしまうのがひかるの凄まじいところ。これは変面のみならず、ダンスもアクロバットもそう…。
あと気になるのが衣装で、中国的なモチーフ(胸の辺りには龍)で周りの女性ダンサーもチャイナ娘だったので(これも超可愛かった)中国の伝統芸能である、という原点を表しているんだろうなということは何となく分かったんだけど、あの長すぎる触覚?みたいなものが何を表しているかまではわからなかった……。もうちょっと研究を続けます……。考えすぎなのかもしれないけど……。
そしてレーザーパフォーマンスですよ。これがもう何が起こってるか分からない。いや、分かるんだけど分からない。
まるで指からレーザー出してます、かのように操られるレーザー。レーザーの剣を持ち、ぶん回したり。いや、手にしてるんですよ。レーザーを。どゆこと?
つまり寸分の狂いなくタイミングを合わせ手を動かしているという極めてシンプルな事だと思うんですけど、いや、超絶技巧すぎない?
このトンデモパフォーマンスを「レーザーとお友達になり」で可愛く片付けるひかる。(4/8のひぃ日より)
ちょっとまって。いやでもお友達になれたんだもんね。お友達とのお戯れ🤭ってことね。オーケーオーケー。もはやひかるのファンシードリーミーワールドの方が理解できる。

演舞

そしてここにきてのアクロバット、ハンモックフライングというフィジカル演目。なんという男達。でもそれでこそSnow Man…という追い込み方。
ハンモックフライング、命綱もなくその身一つでやるトンデモ演目なんですが、これフィジカルだけでなく相当メンタルの強さも必要だと思う………。
3人の覚悟が詰まった演目で、めちゃくちゃ感動しました。
最後雨が降る中でのダンス。滝沢歌舞伎ではよく見てきた雨の演出もなんだか趣が違って、すごく神聖なものを感じた。そういえば龍がモチーフとしてよく出てくるのを考えると、龍神は雨と水を司る神様だし、雨が演出的な効果というだけでなく、ちゃんと意味を含んでるんじゃないかなぁ。切実に公式の解説本が欲しいです………。

エンディング「風」

雨が上がって濡れた床に風景がキラキラと反射するのが本当に綺麗。
この曲が本当いい曲で、しんみりバラードで終わるんじゃなくて明るいアップテンポな曲なのがよりグッとくる。お祭りだから、最後は笑顔で帰るんだ。
ジュニアの子達とアイコンタクトとりながらにっこにこ笑顔で楽しそうに踊る岩本さんをみてると泣けてくる。この作品を作り上げる中で本当に素敵な充実した時間を過ごしてきたんだろうな、というのが最後のみんなの笑顔にぎゅっと詰まっていて、GALAはこの先大切に大きく大きく育っていくんだろうなと確信した。3人が顔見合わせて真ん中でぎゅっと踊るところ、本当に堪らない気持ちでした。どこまでも行ける気がしてくるよ。
そして最後はひかるの「それでは皆様、お手を拝借」からの一丁締めで閉幕。
パンッとした瞬間にドンっと暗転して幕が閉じ、映像が流れ開幕前に映し出されていた鳥居の前に戻るわけです。この終わり方が秀逸…………。鳥肌立った……………。
映画も舞台もそうだけど、どう幕を閉じるのか、って作品の後味を決める超重要なスパイスだと思っていて。ここをビシッと決められると作品としての完成度がぐっっとあがると思うんですよ。ひかる演出の少年たちもとにかくこの終わり方が秀逸でした…………。(思い出すだけで鳥肌)
この一気に現世に戻る感覚というか、今まで見ていたのは夢かも、と思いながら確かな感触が身体の中に残ってる感じ。千と千尋の神隠しみたい………と思いました。本当に神様に会っていたような感覚。神隠しにあっていたのかも。

最後に

祭というコンセプトって意外と器が大きいというか、色んな出店(演目)があって祭みたいなバラエティ豊かな舞台です、とだけでも言ってしまえたと思うんですよね。彼らのパフォーマンス力ならそれだけでも充分形になったと思うんです。
冒頭でも言ったけど、祭の起源から考えさせるような構成であったり、日本のみならず各国の文化を散りばめてこれを日本のエンターテイメントとしてまとめあげた構成力と3人の技術力が本当にすごいな、と思いました。
冷静に考えてアイドルが挑戦することのレベルを超えすぎてて、そしてそれをこなしすぎてて驚く。当たり前に新しい事に挑んでくる3人の挑戦心とポテンシャルの高さに脱帽する………。すごいアイドルを好きになった……………。
初演でこのクオリティ…きっとこれからもっともっと磨かれて、日本が誇るエンターテイメントとしてGALAが世界に届く未来を一緒に夢見ていきたい。この3人なら叶えられる夢だと思う。
ありえんくらい長々と書き散らしてしまいましたが、もうとにかくこれからのGALAに希望しかないです。本当に楽しかった…!!これに尽きる。観劇後の満足感と多幸感、ポジティブなエネルギーに満ちたあの感覚。まさに祭 GALAはパワースポットでした。

またこの春が来ますようにと、その時を待ち焦がれていたいと思います。

映画「モエカレはオレンジ色」が最高だった話

モエカレ、本当に本当に本当に良かったんですけど何がこんなに良かったんだろう?と今日また改めて観て感じた事をまとめたい。

私、こういうジャニーズや若手俳優登竜門的な胸キュンものを観るのが好きでこれまで数々の作品を観てきているんですが、こういうのって少女漫画的なお約束がたくさん詰め込まれてて、分かりきった展開と現実離れした展開にやんややんや突っ込んだり盛り上がったりするのが醍醐味だと思ってたんですよ。それでうっかりキュンとしてしまったりして最終的になんか良かったね…みたいになるのが好きで。(楽しみ方が正しくない自覚はあるすみません)
だから甘めの胸キュンにもわりかし耐性はあるし、発表された時もかなり驚きましたけど、いやかなり驚きましたけど(2回言った)消防士という説得力のあるキャスティングで割と早い段階ですんなり受け入れられたんですよね。自担の胸キュンもの、こんな機会二度とないかも…と思うとものすごく楽しみだったし、与えられた仕事に熱く真摯に取り組む信頼の自担なのでとても期待してました。
でもね………そんな期待を遥かに超える満足度だった…………。
冷静にみるとツッコミどころが全く無いか、と言われれば細かい所をつつけばあるにはあるんですけど、数々のツッコミをこなしてきた(こなすな)私からしたら無いようなもので、あったとしてもまぁこう表現したいならそうだよな、と納得できた。最初から最後まで冷静になる事なくスッッッ……と物語に入り込めたんですよね。しかしよくこの短い時間の中でまとめ上げたなという印象で、映画ならではのテンポ感の速さを感じながらも端折られた感じは全くしなかったし、いらないのでは…みたいなシーンが全く無くて必要なシーンしか無かったんですよね(個人的に)。だからこそ冷静になる隙が与えられなかったし、少女漫画特有の過度なキュン演出やエフェクトも無かったし、俳優陣のお芝居のナチュラルさも相まってものすごく物語に入り込めて、エンディングで蛯原さんと萌衣ちゃんの事を想ってしっかり涙しました。先に言うけどラストエンディングで流れるオレンジkiss、世界一良い曲じゃなかった?

この話って大切な人を失った深い悲しみと傷を抱えた2人が、お互いに救い救われ、守り守られて一緒に前を向く話だと思うんですけど、そこのストーリーの核の部分が消防士×女子高生の歳の差という強めの設定に負ける事なく大切に丁寧に描かれてるのがとても良いなと思った。
最初こそ萌衣ちゃんって蛯原さんのお父さんみたいな包容力とあの年頃特有の歳上の人への憧れみたいなものが恋愛感情に大きく絡んでいて、恋なのか憧れなのかの狭間にいながらでも好きなものは好き!みたいな清々しさが女子高生の無敵なきらめきを感じるし、でもそこから「私は蛯原さんのこういうところが好きなんだ」をきちんと確信に変えていってる所が好き。最終的に一人の人間として蛯原さんに惹かれていたし、蛯原さんもまた一人の人間として萌衣ちゃんに惹かれたんだな、と感じられたところがとっても良かったな。あと年の差特有の"禁断の恋"的な燃え方があまり無いのも生々しくなく爽やかだった。蛯原さんが誠実だったお陰。
あと今回良い意味で大きく裏切られたのは予想の何倍も消防士映画であり、救命について考えさせられる映画だった事。お仕事映画としても成立してる。ひかるがとにかく消防士シーンへのリアリティにこだわっていたことの意味がよく分かった。爆破シーン、火災シーンへの本気度がすごい。これはさすがそういった作品も手掛けてる村上監督…となった。やっぱこの作品って蛯原が消防士であり特別救助隊であることの説得力がとにかく大事だなって改めて思ったんですよ。説得力しか無かった。本当にすごい。消防士の方が観てここは違うという部分が無いようにしたかった、と言っていたから私が気付いていないような細かい部分も相当こだわり抜いてるんだと思う。この映画を観て消防士のカッコ良さだったり、誰かの何かのきっかけになれたら…と言っていたけど心からカッコイイと思ったし尊敬したし、何かあった時の知識を私もちゃんと付けたいと思った。

演技の話を少し。本人がリアリティを大切にしてて、この世界で蛯原恭介として生きるリアリティを大切にしたかったというようなことがインタビューで語られていたんですけど、ナチュラルに寄った芝居本当好きでした。
尚且つ蛯原はちょっとクサい台詞を恥ずかしげもなく言えてしまうところが個性だからそこも大事にしたいとも言ってて、クサめにキメてくるところも要所要所ちゃんとあって。だからあれもちゃんと狙ってるんだな〜と思ったよ。あとひかるってクサめの台詞がキマっちゃう人だな〜と思った…言葉に説得力がある……。そういう点で少女漫画実写向いてるのかもと思ったな。
過去編の雨のシーンのひかるのお芝居、本当に引き込まれすぎてめちゃくちゃ辛かった…………。こういう感情の表現、やっぱり大得意だと思うから色んな作品でのお芝居が見たくなりました。
目線の動かし方とかちょっとした仕草とかも流石の表現力だな〜と台詞のないとこにもグッときたりした。監督もインタビューでもっと違うジャンルでも岩本照を撮りたいと言ってくださってたけど、分かるなぁ。監督是非ともまた…
めるるの演技は初めて見たんですけどめちゃくちゃ上手でびっくりしちゃった………!毎秒毎秒とにかくカワイイし、特に泣く演技がすごかったな…もらい泣きする…萌衣ちゃんがめるるで良かった……に尽きる。
細かい話をするとキリがないので割愛しますが、本当に本当に良い演技だったふたりとも……あと周りの俳優陣の演技も良すぎ。リュウくんが天才の可愛さ。

自担の初単独主演映画がモエカレで、大好きで嬉しいなぁ。大切な作品になりました。